【解説】注文住宅で成功するには「子ども部屋は、いる?いらない?」

「子ども部屋は、いる?いらない?」。

これから家づくりを考えようとしている夫婦・カップルは、
「子ども部屋のことをどう考えたらいいの?」という視点で悩まれているのではないでしょうか。

初めての子育てであれば、妊娠から出産、子育てのはじめの数年間というのはバタバタで、
あっという間。家のことを考える余裕はなかなか取れないものです。

「いつかは子どもをもつのかな…」と、とりあえず二人が住みやすい家を建ててしまうと、あとが大変。
かといって、子ども部屋をしっかり作っても、現実問題として何年も子どもができないという場合もあります。

ここでは、今まで何棟もの注文住宅を建ててきた家づくりのプロが、
経験に基づいて、注文住宅における子ども部屋の考え方をお伝えします。


1. 注文住宅で子ども部屋を作る前に考えておきたいこと

(1)新築時には夫婦だけの場合、子ども部屋をどう考えたらいいの?

子どもができる前に、夫婦二人だけの時に家づくりを始めるのは、とても賢い考え方です。

「何人家族になるかわからないのに、注文住宅を建ててしまったら後で困ってしまうのでは…」と、
いつ着手すればいいのかわからないままズルズルと賃貸での生活を続けてしまうのは、もったいないことです。

「子どもができるかどうか」「子どもが何人できるか」というのは、
計画しようと思っても、そううまくはいきません。

“子どもは天からの授かりもの”ということもありますし、
夫婦間の考え方や仕事の環境が大きく変わることもあります。

「子どもは1人で十分」と思っている夫婦に双子や三つ子が生まれるということもあるのです。

さらに、いったん妊娠してしまうと、赤ちゃんが生まれて数年経つまでは、
精神的にも家を建てる余裕などないという人がほとんど。
せっかく注文住宅を建てるのですから、考える余裕がたっぷりある時に、
ご夫婦でゆっくり話し合って決めてはいかがでしょうか。

子ども部屋を作らないという選択肢もありますし、
将来は子ども部屋にする想定でストレージスペースやゲストルーム、
ウォークインクローゼットなどをリビングから遠い場所に設けておくというやり方もあります。

このあと、夫婦二人で家づくりをスタートする際の考え方のコツをいろいろお伝えしていきます。

(2)子ども部屋は何歳から必要?

中学生または高校生という、
思春期で心のバランスを欠きやすい年頃のお子さんには、自分のスペースが必須でしょう。
自分の部屋に引きこもってしまうのではと心配になるかもしれませんが、
もしご自宅にそういったスペースがない場合、
自分の家以外のどこかにそういった居場所を求めることが考えられます。

自宅に縛りつけてはいけませんが、家に寄りつかなくなってしまうと、
お子さんに何かがあった時にそれを察知するのが難しくなってしまいます。
中学1年生から高校3年生までは、できるかぎり自室をもてるように考えてあげるなかで、
幅をもたせて小学生や大学生ではどうするか、それぞれのご家庭で検討されると良いでしょう。

(3)勉強ができる環境を作るには?

現実には、小学校への入学をきっかけに、
勉強机の購入とともに自室または自分のスペースをもたせるご家庭が多いようです。

ただ、お子さんの独立心の程度にもよりますが、低学年くらいのうちは、
完全な個室にするよりは、自分の荷物を置ける決まったスペースを各所に作った上で
「リビングで学習すること」を基本に考えられてはどうでしょうか。

まだ1人で学習するペースがつかめていないでしょうし、
親子のコミュニケーションを必要としている時期だからです。
リビング学習なら、料理などの家事をしながら子どもの様子を見守り、
学習内容を補ってあげられるだけでなく、学習のペースをつくるサポートができます。
自分で学習を進める習慣がつけば、大きくなってから、毎日「宿題しなさい!」と言い聞かせる必要もありません。

小さいうちは、リビング、洗面、玄関などに固定の場所を決めてあげて、
「ここに自分のもの(おもちゃ、歯ブラシ、靴など)を置こうね」と、
自分用の物をもち、自分の場所に置くという練習を親子でされていくと良いでしょう。
この練習は、お子さんが保育園や小学校などで集団生活を始める際にも役立つはずです。

(4)子ども部屋はどこに作ればいいの?

注文住宅を建てるにあたって、
子ども部屋を家の中のどこに作るか、その考え方は大きく2つに分かれます。

「リビングやキッチンなど家族が集まる場所の近くに設定する」のか、
もしくは「夫婦の寝室のそばなど静かな場所に設定する」のか、どちらかです。

これも、お子さんの年齢にしたがって検討されるのが良いでしょう。
お子さんが小さいうちは、やはり家族のコミュニケーションが取りやすい配置を優先します。
ですから、注文住宅を建てる際には、リビング周りに子ども部屋を設けるのはNGです。

家族のスペースが見通しのきかない空間になってしまいますし、
たとえその子ども部屋を使うとしても実際にお子さんが使うのは、ほぼ10年後。
そんなに長い間、視界を遮る間取りを使い続けるのは有効なスペース利用とはいえません。
それに、中高生の子ども部屋は、やはり後者の「家の中の静かな場所」にしてあげたいものです。

注文住宅を計画するときは、
広いリビングスペースや吹き抜けの空間にロフトやスケルトン階段などを配置して、
家族が集まるスペースを見通しの良いものにしましょう。
その中で、家族で話し合いながら、お子さんの成長に合わせて子どものスペースを作っていけば良いのです。
広いスペースが確保されていれば、子どもと一緒に段ボールハウスを作ったり、
天蓋つきの子ども用ベッドやロフトベッドを置いたりと、
様々なアイディアで子どもスペースを作ることができます。

(5)子ども部屋への動線

注文住宅では、中高生が使う子ども部屋は「家の中の静かな場所」に設けたいものです。
そうすると、自然と2階の奥など、「家族が集まる場所」を通って自室に入る、という動線になります。

朝、学校に行く前、寝る前の歯みがき時などにお互いの顔を合わせ、
「おはよう」「行ってきます」と気軽に声をかけあう明るい雰囲気のご家庭ですね。

いろいろな事情でリビングやキッチンを2階に設けるというスタイルを取ることもあるでしょう。
その場合、注文住宅なら、3階以上に子ども部屋を設定するか、
または子ども部屋を作らないという考え方もあります。

例えば、寝る場所、勉強する場所、遊ぶ場所といったように、用途別のスペースを設置するという方法です。

特にお子さんが2人以上いる場合には有効で、これなら子ども部屋をまとめて1つにするか、
1人ずつ別に個室を与えるかについて悩む必要もありません。
ご家庭でお子さんが1人の場合には、家族みんなでそれぞれのスペースを共有しても良いでしょう。

子どもができる前に注文住宅を建てた場合でも、
どこかの時点で、子ども部屋をどうするかについて家族で十分に話し合うことが、とても重要なこと。
その上で「どうしても個室がほしい」というのであれば、
その時点でリフォームなども視野に入れてみてはいかがでしょうか。

(6)子ども部屋の広さはどれくらいがいいの?

食事や入浴などを除く基本的な日常生活をすべて自分の部屋で行うという場合は、
大人と同様に5〜6畳の部屋の広さが必要となります。
ベッド(寝るスペース)、机とイス、本棚の3点セットが入るくらいの広さです。

加えて、洋服や雑貨を入れられる収納か、
もしくは洋服掛けやタンスなどを置くためのプラスαのスペースが必要となります。

何でも外に出しておくことが習慣となるより、
衣替えなど「その時々に必要なものを出し、使わないものをしまっておく」という
クセがつきやすい、収納スペースのある部屋のほうが望ましいでしょう。

事例1 : 8畳間の子ども部屋を用意したけれど、一人っ子だった

2人以上の子どもを想定して、
注文住宅を建てたときに子ども部屋として8畳間の部屋を用意されたご家庭の例です。
最終的にお子さんは1人だったのですが、その8畳間をそのまま子ども部屋として使わせたところ、
どう家具を配置しても部屋の中央がスカスカしてバランスが悪くなってしまいました。
居心地が良くないようで、お子さんはあまり自分の部屋を使わなかったそうです。

(7)将来的には仕切りで2部屋にしたい

小さいうちは子どもたちが1つの部屋で一緒に過ごすほうが良いけれど、
将来的には一人ひとりに個別のスペースを与えたいと考えているご家庭もあるでしょう。
その場合、注文住宅なら、子ども部屋として広めのスペースを用意しておき、間仕切りをして、
片側はストレージスペースや臨時のゲストルームにしておくことができます。
個室をもつ年齢になったら、真ん中で仕切り、それぞれの部屋にすれば良いのです。
特に男の子と女の子が両方いる場合には、部屋を分けたいと希望することが考えられます。

どのような使い方をするにしても、
出入りに使う扉だけは注文住宅の新築時に2つ用意しておくほうが良いかもしれません。
仕切る方法はいろいろありますが、後から扉をつけるのはひと苦労ですから。
可能なら、配線が必要となる照明も、2部屋に分けられる仕様にしておくと良いでしょう。

事例2 : 寝るだけの部屋を用意したところ、学習が進まなかった

子ども部屋は寝るだけのスペースがあればいいと、
注文住宅の子ども2人に相部屋の寝室を用意されたご家庭の例です。
中学生になって勉強が難しくなってきても、
子ども部屋の中に集中して勉強できるスペースを取ることができませんでした。
下のお子さんが中学に上がるまで遊び中心の生活が続いてしまい、
上の子の勉強が遅れてしまったということです。

(8)子どもが巣立った後は?

お子さんが大学進学、就職、結婚などで家から巣立っていくと、子ども部屋が空くことになります。
家の買い替えを考えていないのなら、注文住宅における子ども部屋を考えるときには、
そこまで頭に入れておいたほうが良いかもしれません。

もちろん、お子さんが実家に帰省されたときのために部屋をそのままにしておくというのも一案です。
収納の中などに荷物をひとまとめにしておいてもらえば、普段はゲストルームとして使うこともできます。
部屋の一部を荷物置き場として使いたければ、可動式の家具を入れて、
お子さんが戻られたときにはすぐに移動させれば良いでしょう。

お孫さんが遊びに来るようになったら、
ベッドなど大型の家具は処分して子どもの遊び場にしても良いかもしれません。
広々とした安全な遊び場があれば、お孫さんにとっても来るのが楽しみな家になるのではないでしょうか。

2. 注文住宅に子ども部屋があるメリット・デメリット

注文住宅で子ども部屋を作る場合に考えられるメリット・デメリットを挙げておきます。

(1) 注文住宅に子ども部屋があるメリット

① 建築中、子どもが家づくりを楽しんでくれた

家の新築・改築というのは一生に何度もあるものではないと思います。
その経験をわが子とシェアするのは教育の一環と言って良いかもしれません。
自分の部屋ができあがっていくのを見るのは、さぞワクワクすることでしょう。

② 自分の所有物がはっきりする

自分の部屋があることによって、子どもが自分の物と家族の物をはっきり区別できるようになります。
自分の物がはっきりすることで、着がえ、整理整頓、掃除、睡眠など、計画的な自己管理に繋がるかもしれません。

③ 自分だけの空間を作ることで自立心を育む

自分だけのスペースをもつと内省する時間を多く取ることになります。
1人で考えたり、自分に向き合う時間をもつことで、
冷静に物事に取り組むことができるのですが、学校ではなかなかそれを学ぶ機会はありません。

(2) 注文住宅に子ども部屋があるデメリット

① 親の目が届きにくくなる

子どもが部屋に閉じこもってしまうと、同じ家にいても目が行き届かなくなることが考えられます。
親に助けやアドバイスを頼むことも苦手になり、
うまくいかないことも1人で対処しようとしてしまうかもしれません。

② 掃除や片づけをしない

自分の部屋をもつようになれば掃除や片づけも自己管理が基本です。
本人のペースを尊重したいところですが、
1人部屋をもってから片づけの習慣をつけるのは難しく、単に片づけないままになる可能性も。

③ 成長とともに不要になることも

プライバシーなどの面で物理的に子ども部屋が必要な時期は意外と短く、ほんの一時期だけです。
遅くまで部活動をしたり学校や図書館で勉強したり、
外での活動が活発になるにつれて、家での活動の幅は狭まっていきます。

3. 注文住宅に子ども部屋を作らない時のメリット・デメリット

注文住宅で子ども部屋を作らない場合のメリット・デメリットです。

(1) 注文住宅の新築時に子ども部屋を作らないメリット

① 子ども部屋と定義しなくても、子どもにとって快適なスペースを作ればいい

子どもが生活習慣を身につけるために最も大切なことは、見本となる親やきょうだいの姿が身近にあることです。
少なくとも生きていくための基礎が身に作までは、完全な個室ではなく、
リビングの一部に子ども用のスペースを設けるなど、常に家族の体温を感じられるようにしたいものです。

② 子どもの成長とともに、家の間取りを変えていける

設計時に子ども部屋を作らず、広いスペースを確保しておけば、
子どもの成長に合わせて臨機応変に間取りを変えていくことができます。
大切なのは、子どもが小さいうちは家族が一緒に生活するためのスペースをできるだけ広々ともつことです。

(2) 注文住宅に子ども部屋を作らないデメリット

① 自分の所有物と家族の所有物が混在してしまう

子ども部屋があれば、その子の物は自分の部屋に置けば良いのですが、
そうでない場合、家の中のどこにどのように置くのかを検討し、
その使い方のルールを家族で話し合って決めるなどの工夫が求められます。

② プライベートを確保しづらい

吹き抜けなどで家全体の空間がゆるやかに繋がるような間取りに設定すると、
プライベート・スペースが得にくくなります。
階段脇の奥まったスペースに共用のスタディスペースを設けるなどの工夫があると良いでしょう。

工務店が建てるお手本住宅

【まとめ】子ども部屋を考える時に大切なこと

注文住宅を建てる際、子ども部屋をどうするかを考える場合に大切なことは、
「優先順位は何か」を考えることです。

ゆっくり眠れる場所を確保する、静かに勉強できるスペースが欲しい、
といったことなら、必ずしも子ども部屋として個室を用意する必要はありません。

また、最適な家のカタチは、子どもが成長していくにつれて変わっていきます。
今の暮らし、数年後の暮らし、夫婦だけになったときの暮らしに、
子ども部屋をどう利用したいのかを考えましょう。
新築時だけではなく、その時々に考えていくことも求められるでしょう。

そうして考えた理想の注文住宅づくりを実現するためには、
家族のことまで信頼して相談できる相手が必要です。

何でも話せる注文住宅づくりのプロに相談するところから、家づくりの一歩を踏み出しましょう。

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